ナスカの地上絵1. ナスカの地上絵数日後、M君はコロンビアに戻って行った。 Oさんはチリで船に乗ったり、ブラジルでカーニバルを観たりしたいと旅だって行った。 ペルーをリマからバスで廻る場合、普通はリマ→ナスカ→アレキパ→クスコ(マチュピチュ)→チチカカ湖と行くことが多いらしい。 「どうしようかな?」 私は八幡さんやSさんに相談した。 Sさんは40才過ぎの男性で、南米が好きで、何度も、しかもゆっくり廻っている人だ。 「前に来たときはリマとクスコ、マチュピチュだけ観たんですよ。でも地上絵もどうしても観たいわけでもないし・・・」 「でも、地上絵は近年だんだん薄くなっているそうですよ。今のうちに観ておいた方が良いかも知れませんね。」とSさん。 「僕たちも此処に来る前に観てきましたが、もう大分薄くなってましたよ。」と若い人たち。 「それじゃあやっぱり行くことにしようかしら。 ナスカ→アレキパ→プーノと廻れば良いか?」 夜行バスで、朝ナスカに着くと、客寄せのお兄ちゃんが何人も寄ってくる。 結局捕まってしまい、調べていた所と違うホテルに連れて行かれ、飛行機の交渉もしつこく迫られる。 こんな時、我ながら押しが弱いなぁと思う。 少々高めでオーケーしてしまった気がする。 とても暑いのと少し疲れていたせいもあるのだろう。 翌朝迎えの車が来て、飛行場まで行った。 8人乗り位のセスナだと、真ん中の席に当たったりして、地上絵が見にくい場合があるとのことだった。 けれども小型のセスナで、乗客は3人だけだったから見えたといえば見えた。 私の大好きな“ハチドリ”はあまりよく見えなかった。 それで良い、と思っている。 私は『ナスカの地上絵』は宇宙人が描いたと信じている。 地球人が、あの地上絵を描く方法はあるとしても、違うと思う。 宇宙人が、遙か上空から、描いて、眺めて楽しんでいたに違いないのだ。 |